ペットとお金とお仕事

ペットや金融・会計についての日常を綴る経理社員

「緊張感を持って注視していく」が流行語大賞に輝きますように(債権の価格と金利・利回り)


マーケット
2022年9月2日㈮ 

日経平均(円)
27,650.84 -10.63(-0.04%) 2日 15:15 大引

NYダウ工業株30種(ドル)
31,318.44 -337.98 2日 終値

S&P500種
3,924.26 -42.59 2日 終値

ナスダック
11,630.865 -154.261 2日 終値

FTウィルシャー5000
39,931.75 -410.27 2日 終値

NY金(ドル/トロイオンス)
1,722.60 +13.30 2日 終値

NY原油(ドル/バレル)
87.25 +0.64 2日 16:59

円・ドル
140.20 - 140.22 +0.92 3日 5:49


金融用語インデックス ※随時更新
https://hunk.hatenablog.com/entry/2022/06/19/105905

YouTube(ハムスターの動画です。)
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%B0%8F%E9%BA%A6%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB

Instagram(ハムスターの写真や動画です。)
https://www.instagram.com/k0mugi.life2020/

TikTok(ハムスターの動画です。)
https://www.tiktok.com/@hunk.bh



みなさんこんにちは。
ハンクです。

いよいよ我々投資家にとって厳しい局面になってきましたね。
今月末には多くの企業の中間決算発表があるので、中旬まではこの状態が続くのではと予想しています。

そんな中、銀行も金利上昇の影響で外債の含み損がえらいことになっている。

news.yahoo.co.jp

この記事によると、FRBの急ピッチの利上げを背景に米債利回りが急伸したことで、メガバンク3グループの外債の含み損は6月末時点で合計2兆6569億円と、3月末の1.5倍に拡大したとのこと。

へぇー。
大変だねー。と流す前に疑問に思うところはないだろうか。

金利が上がったのになぜ外債が含み損なのか。

意外と分からない人も多いと思うので解説していく。



債権の価格と利回りの関係

まずは大前提だが、一般に債券は利回りが低下すると、その債券の価格は上昇する。

反対に、利回りが上昇すると、価格は下落する。

例えば以下のような債権があるとする。

●満期
1年

●利率
1%

●額面金額
1万円

これを満期(1年後)まで保有すると、利息の100円と額面金額の1万円を受け取ることができる。

発行時に定められ、償還まで変化することがない利率と「利回り」は異なる。

「利回り」は、投資家にとっての「運用パフォーマンス」と同義だ。
この場合1万円を投資し、1万100円を手に入れるので、利回り(運用パフォーマンス)は年1%。

{10,100円(受取額)÷10,000円(価格)-1}×100=1%

一方、市場金利の上昇とは、どういうことか。

これは例えば1年後に満期が来る債券ならば、利回り1%で満足していた市場参加者が、2%でなければ満足しなくなるということ。
つまり、今新しく満期1年後の債券を発行するなら、2%でないと市場参加者は買ってくれない。

なので、既に市場に流通する「1年後に利息100円と額面1万円が受け取れる」債券の価値はどうなるかというと、利回り2%になるまで値下げする必要があるということだ。

先ほどの式で、購入金額をAとすると、

(10,100円÷A-1)×100=2%
※10,100÷1.02=A

という式で表せる。
これは約9,902円となる。

既に流通している上記の債権は、9,902円まで価格が下落してしまうのだ。

国債社債も購入後は定められた利子収入を受け取ることができ、満期まで保有すれば額面金額が投資家に支払われる仕組みだ。

このため、発行体がデフォルト債務不履行)にならない限り、損失を被ることはない。

しかし、投資家が購入する債券の全てが「満期保有目的」という訳ではない。

時価の変動による利益を獲得するために、市中売却を想定して購入する債券は「売買目的有価証券」と位置付けられ、時価評価をする必要が出てくる。

この場合、購入価格と時価評価額の差が「含み益」または「含み損」となり、含み損を抱えた状況で実際に売却をしたら「有価証券売却損」が発生することになるということだ。


これが銀行が持っている外債の含み損のからくり。

少なくとも今回は
金利が上がれば、債権の価格は下がることを覚えておいてほしい。

ということで、私個人的に銀行と同じようなことになれば、何年でも保有しっぱなしにするけど、銀行はそうもいかないのだろう。

本当に銀行がこれから銀行がどうやってこの様々な逆境を乗り越えていくのか、高い緊張感を持って注視していきたい。

あ、松野官房長官みたいになっちゃった。