ペットとお金とお仕事

ペットや金融・会計についての日常を綴る経理社員

福利厚生?そんなもの社会保険完備で十分だ。社会保険完備のみを求人票に躍らせる男らしさが学生を引き付けるんだ。

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皆さんこんばんは。
最近バイオハザードと噓食いを観て、映画の素晴らしさに浸っているハンクです。

さて、最近また私のような投資家や経理担当者にとって素敵なニュースが流れましたね。
「節税保険」行き過ぎに歯止め 金融庁・国税庁がタッグ: 日本経済新聞

これについて私はTwitterで1/2損金についてつぶやきましたが、それについて補足説明をしていきます。
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【生命保険】
皆さんご存じのように、本来保険とは、毎月一定の保険料を支払ってしれば、何か事故や病気で亡くなってしまった時・働けなくなった時に保険会社が契約で決まった金額を補填してくれるというもの。

では、この記事にあるようになぜ、各企業でこの生命保険が節税商品と呼ばれているかを説明する。

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経理の人なら分かると思うが、通常費用を支払った時、それがそのまま費用になる。

例)100円のボールペンを買えば、100円が消耗品として計上される。

当然保険料もこのように、本来であれば支払った分が保険料として計上される。
ただ、金額の桁が違ってくる場合があるのだ。

従業員の福利厚生の一環として、全社員を被保険者にして、会社が保険料を支払うような形にすれば、平気で億を超える金額になってくる。

当然、事故等があって、従業員に何かあったときはその従業員分として保険料が下りるし、通常その保険料は会社から従業員に支払われる(全額かどうかはその会社の匙加減)。

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しかも、掛け捨てではなく積み立ての保険であれば、会社の利益が出なさそうな時、手元流動性が悪い時等に返戻金として会社に戻すことができる。

更に返戻率というものがあり、対象の保険により、その年によって返戻率が高かったり、低かったりする。

少し前までは返戻率がピークであれば100%近いの保険料が返ってきていたのである。

例)5年間毎年1億円保険料を支払い、解約したときの解約返戻率が100%であれば5億円会社にお金が戻ってくる上に、毎年1億円の損金計上ができる。
※ただ、現金が戻ってきたときは益金として受けなければならないので、その時はまた節税を考える必要がある。

しかも簿外にお金を残せるので、精神衛生上も良いわけだ。

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そして時間が経つとともに、1/2損金にしかならない保険商品や返戻率が悪い商品が増えてきて、節税がしにくくなり、最近では保険以外の節税商品に手を伸ばす経営者が増えてきた。

そこへきてまた今回のニュースでは、金融庁国税庁がタッグを組んでより節税できないようにしてやろうとしているということが報道されたのだ。

私としてはそんなこともういいから、物価をなんとかしたり、プライマリーバランス黒字化を2026年なんて悠長なことを言わずもっと早くできるように努力しろと言いたいわけである。

株価も少し前まで26,000円台まで落ちていたんだから。

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ところで、節税の感覚について経営者にばらつきがあるのが、この節税商品はキャッシュが返ってきたときに益金にあるのであれば結局トータルで見たら同じではないかと考える人もいる。

実際これを読んでそう思った人もいるのではないだろうか。

全くもってその通りだ。

しかも今は返戻率は100%の商品なんて減ってきているので更にうまみがない。

ただ、その年の税金をなんとかしたい、簿外にお金を残して緊急時のために備蓄しておきたいという経営者にとっては素敵な商品だったわけだ。

これは考え方次第なのでどっちが良いというわけではないが、私のような経理担当者からすると億単位の節税商品をバカスカ放り込まれるのは管理が大変な上に何かあったときに恐いからやめていただきたい。

ただ、まぁ自分が経営者ならいい商品があればやるだろうけど。

だってにんげんだもの。 はんく